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現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)という神話(エイガ)

 投稿者:ことり  投稿日:2016年 8月22日(月)23時13分25秒
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  昨日、シンゴジラ見てきたがものすごい傑作だった。
こんな話がちゃんとエンタメとして表現されてるのがすごい。

ゴジラをダシにした政治劇でもあるけど、ゴジラがいなければ焦点を欠いてしまう。
だいたい料理は出汁が決め手なので出汁はかなり大事なんですね。日本料理の先生も言ってました。

また自衛隊や防衛省や政治家などに取材したそうで、かなり綿密なシミュレーションを基に脚本がされているので、やけに災害時の対応がリアル。
あと会議のシーンはネルフのオペ室みたい。無駄のない台詞と演技もリアルだ。
あれはなんでも岡本喜八郎の影響だそうで、そういえばジャズ大名は面白かった。あのラストのテンポよく畳み掛ける映像が、言われてみれば庵野監督の絵作りと似ているような。

それはともかくとして、そしてキャッチフレーズが「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」である。
僕など平成プロレスゴジラ世代なので、ニッポンがリアルであればあるに越したことはないわけで。
つまり、これはゴジラの相手がニッポンになったプロレスとして観ることができるのだ。


で、ゴジラがかっこよすぎる。
反面とてつもなく哀しい感じがする。
私はゴジラになりたい。

でもこのゴジラは一体なんなのか?
つまりこの作品のダシは何でとってるのか?

物語のなかの設定としてはまずは巨大不明生物。
海底に遺棄された放射性廃棄物を食べて進化した海洋生物。
体内に原子炉を持ち、熱線を吐き、放射線を撒き散らす変な生き物。
パンフには「熱核エネルギー変換生体器官を内蔵する混合栄養生物」とある。
何も食べないから欄杭歯なのだそうだ。
話は変わるけどインドにそんな修験者がいたような。まだ元気に何も食べずに暮らしているのだろうか。

それはともかく。置いとくとして。

そして生成と崩壊を繰り返しながら進化する。
そんでもってキャッチフレーズで虚構だなんて、ゴジラってまるで催眠オナニーし続けて妄想逞しくする変な奴みたい。


だからそういうのはともかくとして。

なぜにゴジラがこんな特徴を持つに至ったか。
暴れさせるだけなら別に恐竜のあれとかでもなんでもいいわけで、ゴジラがどういう質、類のものかはゴジラ映画としてはその映画のテーマの主軸なのである。
で、上のような特徴。

他に参考になる手がかりとしては博士の船に残された本がある。
劇場ではタイトル読めなかったのだけれど、気になって調べてみると宮沢賢治の『春と修羅』だそう(ちなみに宮沢賢治は春先に文庫全集買ったとこである)。

他には、ラストシーンで人が生えてきたようなゴジラの尻尾の先。

あ、あとゴジラの動きは能で有名な野村萬斎をモーションキャプチャしたらしい。

こうしたことから、ゴジラは生命そのものを神としたイコンのように思える。
つまり、このゴジラは生命の進化やその歴史を共時態として具現化した表現ではなかろうか。
要するに生命そのものである。
人類だけじゃなく生物を補完したのがシンゴジラなのだろうか。

なんでも庵野監督によればゴジラは生き物じゃないそうで、つまり神としての生き物なのではないか。
シシガミ様みたい…、あ、気づいたけど、これ現代版『もののけ姫』なんじゃなイカ?
そういえばシシガミ様も生と死を司る神で最後は首を跳ねられたでゲソ。

映画が始まるまで『鬼の研究』なんぞ読でいたので(近くの古本屋で時間潰しのため購入)、詳細は省くがゴジラは神というより鬼なのではないかと思ったりもした。

鬼はあまりに人間過ぎるが故に人外になったものであり、あまりに人間から離れ過ぎた故に人外になったものでもある。
そして鬼は哀しい存在である。

ゴジラが熱線を放つとき、人の側から見れば恐怖だが、そのゴジラの様子はいかにも哀れを感じる。

目的なく暴れ回る完全生物。
絶対的な目的なくただ生き命を繋げる生命。

想いを廻らせると僕は無性に哀しい。

タバやらヤシオリやらいう作戦名もあってなんとなく調伏という感じがしたりもする。

wikiより引けば、調伏とは「調和制伏という意味の仏教用語で[1]、 内には己の心身を制し修め、外からの敵や悪を教化して、成道に至る障害を取り除くこと。及びそのための修法」とある。

あるいは政治、軍隊というような国家という鬼と、それに相容れない生命という鬼を対決させた話とも捉えられる。


なんだかんだ憶測を並べてみたものの、庵野監督が「夢や希望だけでなく現実のカリカチュア、風刺や鏡像でもあります」と言うからには、この映画が現代の神話、少なくともそうならんことを目指したものであることは間違いなさそうだ。
ともあれ考えるほどに庵野監督の闇は深い。
パンフに載ってるコメントなんか読むとどうしてニッポンの描写がリアルに追及されたのかもよくわかるし、これは壊れるなあと納得できる。

なぜ神話みたいなものが大事かといえば、神話を語ることを通して自身の姿が可視化されるからだと思う。

こうして僕がアホなことを並べ立てているように、シンゴジラは語られるだけの値打ちがある作品だと僕は思う。
道徳が形式からつくられるなら、その形式こそが神話なのである。

ちなみにストライクウィッチーズがシンゴジラみたくなる可能性もあって期待してたんだけど、あれは初めから悲劇は絶対描かない決まりがあるから、よく考えたら無理だった。

百合に通じる門は狭く、道は細く、その門を見出す者は少ない。

でもゲイに通じる門のほうが狭く、道は細く、その門を見出す者は少なそう。だって門が(ry

どうでもいいけど見たくないものは見ないとか白雪姫の魔女みたい。


だんだん何言ってるかわかんなくなってきた。

夜は涼しいし労働の後はビールが進みます。

個人的に、最後は熱核爆弾から分裂増殖進化世界滅亡ルート(つまり虚構の大勝利)を期待したけど、ちゃんと人類に勝たせたところが庵野監督らしい。
旧エヴァ劇場版でも最後シンジ君が苦渋の決断をしてたし。
あのまま補完されてりゃよかったのに、と後悔必至とはいえ。
ここで後悔しないものに私はなりたい。

だからこんなのカキコしても後悔したりなんかしてはいけない。
3時間もかけてポチポチ打ち込んで勿体なくなったのはあるけど。


どうでもいいが、帰りの電車で目眩、頭痛、吐き気、手足の痺れ、体の震え、心拍数と体温の低下に襲われた。手が冷たく真っ白になる。
昔調べたところ自律神経失調のようだが、なるのはいつも電車に乗ってる最中だ。
電車の空間を高速で引き離していく感覚がいけないのか、と思ったりするが、車や飛行機では起こったことがない。
電車と相性が悪いとしか言いようがない。わりかし不思議である。
電車にはひだる神がいるのかもしれない。
 
 
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